「7つの習慣」の要約と感想、名言 – ①自分を成功させる3つの習慣

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スティーブン・コーヴィー著の「7つの習慣」は、「人としての成功」をテーマとして書かれた名著、世界のベストセラーです。

世界で累計4000万部以上の売り上げ、50カ国語以上に翻訳され、1990年に初版が発行されてから30年以上経った現在も、ビジネスパーソンだけでなく、個人の成長を目指す幅広い層に読まれています。

お金持ちになる、ビジネスで成功する、といったことが「人としての成功」と同列に扱われることが多い世の中ですが、この本はもっと深いところにまで「成功」という言葉を落としこんだ内容になっています。

こんな方におすすめの一冊
  • 人生、とりあえず上手くいっていると思うけど何かが足りない
  • キャリアでは成功しているけど人間関係がつらい、あきらめかけている
  • 小手先の成功テクニックではなく、一生使える根本的な人生の成功論が知りたい

今うまくいっている人も、そうでない人も、一度は読んでおきたい名著中の名著です。今回の記事は、7つの習慣の中で、「自分自身の成功」に焦点を当てた3つの習慣について解説したいと思います。

私自身はこの本を初めて手に取ったのが20年近く前、社会人になりたての頃でした。今回ひさびさに読み直しましたが、本当に覚えておきたい内容が盛りだくさん過ぎでした。記憶に全部残す自信は到底ないので、ブログにハイライトをまとめてみました。

でもこの書籍の良いところは、「具体例」の豊富さにあります。抽象的な内容を、具体的なエピソードで深く理解できるようになっているので、このブログ記事ではその良さはどうしても伝わりません。

内容に少しでも興味を持たれた方はぜひ書籍も手取って読んでいただければと思います。分厚い本ですが、具体例が多いので意外と読みやすいです。

目次

インサイド・アウト:「7つの習慣」全体を貫く大事な考え方

序章には、「7つの習慣」全体を貫く大事な考え方が書かれています。その一つが、「インサイド・アウト」。

「インサイド・アウト」とは、ものごとを内側から外側へ変えていく、と言う意味です。

まず自分の人格や物の見方、価値観といった「内側」を見直し、改善します。自分自身の内面を改善することで、「外側」つまり、周りの環境や人間関係に良い変化が生まれます。

自分の人格を磨くことが、真の成功を手にするための土台となる。 それが、「7つの習慣」全体に通じる大切な考え方です。

インサイド・アウトの具体例を見てみると、よりイメージしやすくなります。

あなたがもし幸せな結婚生活を送りたければ、積極的なエネルギーを生み出し、消極的なエネルギーを消し去る伴侶になるということである。

子供が、明るく協調性のある人間に育ってほしいと思うならば、子供への理解を深め、子どもの視点に立ち、一貫した愛を示す親になるということである。

信頼されたければ、信頼性のある人になることである。

インサイド・アウトの逆、アウトサイド・インはどんな生き方でしょうか。

自分のうまくいかない状況の責任を、周りの人や環境のせいにする生き方。自分ではなく相手がまず変わることを要求する生き方は、本当の成功や幸福につながることはありません。

「もう少し給料があがれば」「夫がもっと〇〇してくれたら」「息子がもっと〇〇だったら」と、つい思ってしまう自分にハッとしました。
反省。

人格を磨くための鍵は「習慣」

なぜこの本が「習慣」の話をしているかというと、習慣こそが人格を磨くための最重要事項だからです。

私たちの人格は、繰り返される習慣の結果として育成されるものである。

習慣によって無意識のうちに生活パターンが決められ、人格が育成され、そして生活そのものが効果的あるいは非効果的なものになってしまう。

週間は太い縄のようなものだ。毎日1本ずつ糸をより続けると、やがてそれは断ち切れないほどのものになる

ホーレス・マン(教育者)

良い習慣を身につければ、おのずと良い人格が育成されていく、ということですね。

ところで、7つの習慣は以下の3つのカテゴリーに分かれています。

  • 第1〜3の習慣:自分の成功のために必要な習慣
  • 第4〜6の習慣:自分の周りの人の成功のために必要な習慣
  • 第7の習慣:第1〜6の習慣を強固なものにしていくための習慣

この記事では、自分の成功につながる第1〜第3の習慣を、心に響く名言とともにご紹介していきます。

第1の習慣:主体的である

主体性を持つとは、人間として自分の人生に対する責任を取るといくこと。

Responsibility = Response(反応)+ Ability(能力)

英語のResponsibitily(責任)を分解すると、「反応を選択する能力」というふうに解釈できると。なるほどと思いました。

「主体性のある人」と「反応的な人」の違いは何か。

主体性のある人は、自分の行動や選択に責任を持ち、自ら考えて行動します。一方、反応的な人は、周りの状況や他人の影響を受けやすく、感情に流されてしまうのが特徴です。

具体例で考えてみましょう。

成績が思うように上がらないときどうする?

成績が思うように上がらないとき、主体的な人はどうするか。

「どの科目をもっと勉強すればいいだろう?」と自分で考え、具体的な行動を取ります。自分がコントロールできることに集中し、改善を重ねていくのです。

これは単なる前向きな姿勢やプラス思考と違います。現実を直視した上で、その状況に対して積極的な対応をするからです。自分が影響できること(自分が何を考えて何をするか)にフォーカスし、働きかけます。

では、反応的な人はどうするか。

「先生の教え方が悪いからできない」「お金がなくて塾に行けない」と言い訳をして、行動を起こしません。自分では変えられないことに頭を集中させ、結果を他人や環境のせいにしてしまいます。

主体的な人は状況に流されず、自分で選び、行動し続ける人。反応的な人は周囲の影響に振り回されがちで、変えられないことに注目してしまう人。あなたはどちらになりたいですか。

主体的であるために覚えておきたい名言

自分の身に何が起こるかではなく、それにどう反応するかが重要なのだ。

行動を起こす責任はあなたにある。周りが動くのを待っていれば、必ずや周りに左右されることになる。

周りの環境や状況に決定づけられていると言う考えこそ、非現実的なものだ

第2の習慣:目的を持って始める

「目的を持って始める」ということは、自分の価値観や人生の最終地点が何かを明確にし、それをしっかり頭において一日を始めるということ。

そうすれば、その時々の気持ちのゆらぎや状況にいちいち反応せず、主体的な人になれます。

自分の望む人生の最終地点はどうやってわかるのか。7つの習慣で勧められているのは、3年後の自分の葬式に集まってくれた人たちに、どんな言葉(弔辞)を言ってもらいたいか、じっくり考えること。

この部分は、中田敦彦さんのYouTube大学の動画を見るとより印象にのこります。
弔辞で「すっごいかっこいい車に乗っていましたね〜」とか言われたくないでしょ。って。

やっぱり「どんな人だったか、どんなふうに社会や周りの人に貢献したのか」みたいなことを言ってほしいわけです。そうすると自分の価値観、最終地点も見えてくると。

なるほどな〜と思いました。

最終地点を決めた上で、それに向かうように目標設定をしたり計画したりすること。ゴールが決まっていないのに、一生懸命はしごを登り続けたとして、たどりつく先はどうなるか。

望まないところに行く可能性大ですよね。

だからこそ、まずは自分の軸となる価値観を決めましょう。と。

リーダーシップとマネージメント

自分の価値観が決まったら、次に大事なのはリーダーシップです。「リーダーシップ」ってなんでしょう?

「リーダーシップ」とは、自分が望む結果、自分の人生の最終地点に向かうための羅針盤のようなもの。人生の中での自分の様々な役割について、自分の価値観に基づいて長期的な目標を立てます。

個々の人の生活におけるリーダーシップの欠如はもっと深刻である。多くの人々は、自分自身の価値観や人生の目的を明確にすることなく、能率的な自己管理や目標達成ばかり気にして生活するのである。

マネージメントは、羅針盤を見ながら正しい方向に進むためにとる手段で、より短期的な目標設定(第3の習慣)と関係してきます。7つの習慣では、マネージメントばかりを気にしてリーダーシップが欠けている状態を強く警告しています。

効果的なリーダーシップのないマネジメントは・・・「タイタニック号のデッキで椅子を片付けるようなもの」である。

大事なのはマネージメントよりもリーダーシップ。ここで出てくるのが「個人の憲法」を作る、と言う話です。

「個人の憲法」を作ろう

個人の憲法(ミッション・ステートメント)とは、自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、自分の行動の基礎となる価値観や原則を書き出したもの

個人の憲法をもつことで、目まぐるしく変わる時代の変化に圧倒されることなく、自分の軸をしっかり持って物事を決断したり計画したりしていけます。

人は変わらざる中心がなければ、変化に耐えることができない。変化に対応する能力を高める鍵は、自分は誰なのか、何を大切にしているのかを明確に意識することである。

だからこそミッション・ステートメントを持つことにより、周りの変化に対応する能力が著しく高まることになる。

個人の憲法は、数週間から数ヶ月(!!)かけてじっくり内省しながら作ること。(時経つとともに修正や変更も必要。)

本気でやろうとすると結構な労力がかかりますが、やる価値はあると思います。というより、これをやらないと第3の習慣に進めません(笑)。

具体的なプロセスや考えるべき点については、かなりのページを割かれて詳しく説明されていますので、ぜひ書籍を手に取って自分の憲法を作ってみてください。

第3の習慣:重要事項を優先する

第1の習慣と第2の習慣についていったんおさらいしましょう。

第1の習慣:「自分で選び、自分で行動する」主体性を発揮すること。
第2の習慣:自分の価値観と将来のビジョンを決めること。リーダーシップを行うこと。

第1の習慣、第2の習慣ができたうえで、ようやく実践段階にはいります。それが第3の習慣。

第2の習慣できめた価値観とビジョンを達成するために日々の生活で「重要事項を優先する」ということです。「マネージメントを行う」とも言い換えられます。

効果的なマネジメントの定義は、「重要事項を優先する」ことである。

リーダーシップは「重要事項」とは何かを決めることであり、それに対して、マネジメントはそれを優先して、毎日、瞬時習慣において実行することである。

つまり、マネジメントは自制する力であり、実行力なのだ。

第二の領域を大事にする

社会人なら一度はみたことがある、「時間管理のマトリクス」がここででてきます。

緊急度と重要度を軸にして、日々の活動を4つに分類したものです。

ここに図

実行するべき重要事項は「第二の領域」にあります。第二の領域とは、以下の図の中で「緊急度は高くないが、重要度が高い」もの。

忙しい人がよくやってしまいがちなのが、緊急度が高く重要度も高い「第一領域」ばかりに集中してしまうこと。締め切りに追われ、ストレスがたまり、やがて燃え尽きてしまいます。

第二領域に集中すると生活にどんな変化があるか

緊急度は高くないが重要なことに入るのは、人間関係づくり、健康管理、準備や計画、勉強、品質改善、リーダーシップなど。どれも「重要だけど、緊急ではないからいつまでも手がつけられない」でいる人は多いと思います。

ここで自分の頭に真っ先に思い浮かんだのは「筋トレの習慣」です。子供の世話、掃除・洗濯・料理、仕事に追われて1日が終わる頃にはクタクタ。「筋トレはまた明日にしよう」となる日々…。

そこで思いにとめたいのが、以下の名言。

ピーター・ドラッカーの言葉でまとめれば、「大きな成果を出す人は、問題に集中しているのではなく、機会に集中している」ということである。

彼らは機会に時間という餌を与え、問題を餓死させようとするのだ。つまり、彼らは予防的に物事を考えるのである。

第一領域の緊急な問題は、第二領域の活動を増やすことで「餓死」つまり消していくことができる、ということです。

確かに、筋トレ習慣を身につければ、メンタルも体も強くなって、病院に行かなければならないことも少なくなりますよね。品質の改善を行えば、クレーム処理も少なくなります。

もちろん、今ある第一領域の「緊急かつ重要な問題」は無視して、第二領域の時間を増やしていいのか、というとそういうわけでもありません。じゃあどうすればいいか。

第二領域の活動のための時間をつくるには

まず前提条件として、第二領域の活動のための時間は、第三領域か第四領域からしかとれない、ということです。

  • 緊急だけど重要でない活動、例えば、突然の電話、無意味な人付き合い、雑事(第三領域)
  • 暇つぶし、待ち時間、単なる遊び、だらだらと電話すること(第四領域)

これらに「ノー」と言えるようになることが大事です。

新しい時間管理の方法

「7つの習慣」の中では、「新しい時間管理のツール」として、「緊急性ではなく重要性に集中する」ための、新しい時間管理の方法が提案されています。この方法を使うと、以下のことが実現できます。

  • 自分の「個人の憲法」や、生活の「役割」「目標」と調和した時間管理ができる
  • 生活がバランスの取れたものになる
  • 週単位で優先課題(第二領域の活動)をスケジュールに組み込む
  • 人間関係を重視しており、スケジュール通りにならなくても罪悪感を感じなくてすむ
  • 自分のやり方にツールを合わせることができ、ツールに自分を合わせる必要がない
  • 携帯するのに十分なシンプルさ

私はNotionで2年以上、週単位でのスケジュール管理をしています。「7つの習慣」で紹介されている週単位のスケジュールともなじみがよさそうだと思い、現在Notionのスケジュールページを改造中です。

具体的な時間管理のスケジュールの作り方はかなり細かくなってしまうので割愛します。書籍を見るか、検索or生成AIに聞いてみてください。

ここにリンク

完全なデレゲーションを行う

今回読んでいて、かなり刺さったのがこの「完全なデレゲーション」の話です。

個人的には、第3領域、第4領域の活動はすでに「これ以上削れない」レベルまで削っている認識なので、どうやって第2領域のための時間を作ろうか・・・と思っていました。

デレゲーションとは、一言で言えば「誰かに任せること」です。

誰かに活動を任せれば、それに必要だった分の時間があいて、より重要な活動に自分の時間を費やすことができますよね。

ただし注意点があります。それは「使い走りのデレゲーション」にならないようにすること。

「使い走りのデレゲーション」とは、やるべきことを事細かに指示して、その通りにやっているかどうかを管理することです。これでは、本当の意味で「任せる」ことにはなりませんし、「その通りにやっているか」逐一確認するので時間が自由になりません。そして、その結果の責任は自分で負うことになってしまいます。

それに対して、「完全なデレゲーション」は、欲しい結果と知っておくべきルールを伝え、その結果を得るために取る手段は相手に任せることになります。サポートを求められた時は喜んでするが、あくまで責任の所在は任せた相手にある、というもの。

ここででてくる事例がとても印象的でした。著者が7歳の息子に芝刈りを任せ、欲しい結果(「緑で清潔」)を伝える。数週間経って、緑のはずの芝はすでに黄色くなりかけ、ゴミも増える一方。息子が責任を果たせそうにない、となったときに、「使い走りのデレゲーションにもどりたい」という葛藤を超えて、完全なデレゲーションができるように息子に話しかけサポートする様子は、母親の自分としても見倣いたいと思いました。

もちろん最初はうまくいかないかもしれない。でも「完全なデレゲーション」を行うことは、相手の能力を引き出すことができ、最終的には自分の手が完全に離れるWin-Winの効果があります。家庭でも、職場でも取り入れたい考え方です。

まとめ

この記事では「7つの習慣」の序章と、最初の3つの習慣の概要と感想、気に入った名言をご紹介しました。以下、まとめです。

第1の習慣「主体的である」:自分の行動や選択に責任を持つこと。状況や他人のせいにしないこと。
第2の習慣「目的を持って始める」:人生の最終地点を意識し、自分の価値観に沿った目標を持つこと。
第3の習慣「重要事項を優先する」:時間管理において「緊急度が低いが重要なこと」に集中すること。

これらの習慣は、自分自身を内面から変える「インサイド・アウト」のアプローチが中心になっています。

次の記事では、最初の3つの習慣による「私的成功」を土台にして、周りの人との関係をさらに良いものにしていく「公的成功」のための3つの習慣、そしてまとめとなる第7の習慣について書きたいと思います。

この本との出会い

この書籍は、15年以上前、社会人になってすぐのころに初めて読みました。たくさんのマーカーをつけたことは覚えていたものの、内容はほとんど忘れてしまい、実家の本棚に眠ること15年。

家庭を持って色々な状況が変化した今、また1から読んでみることにしました。当時は少し読み飛ばしていたところに、ハッとされる一文があったり、「ああそういえばこんな例えが書いてあったな」と思い出したり。

さすが、世界的ベストセラーなだけあって、「本当にそうだ」と心底思えるアドバイスがたくさんあります。ただ、一度読んだだけではすべてを理解して実践に落とし込むまでいかないです。本当に何度もくりかえし読むべき本だと感じました。

序章の最後には、48時間以内に本から学んだことを誰かに伝える、と言うお題が書いてあります。今回は内容を忘れずに実践できるよう、このブログ記事にまとめることにしました。

ぜひあなたもこの書籍を手に取って、実践してみてください。

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