「7つの習慣」の要約と感想、名言 – 皆が成功するための第4〜6の習慣

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名著「7つの習慣」のまとめ・感想の前編では、自分の成功(私的成功)のための3つの習慣についてまとめました。

今回は「自分だけでなく、自分のまわりの人の成功に貢献し(公的成功)、相互にハッピーになる」ための3つの習慣についてまとめていきたいと思います。

なぜ、自分のまわりの人も一緒に成功する必要があるのか。それは、わたしたちはみな、自分一人では生きていけないし、どんなに世間から見て「成功した」ように見えても、まわりとの人間関係がうまくいっていないと、本当の意味での成功とはいえないからです。

どんなにお金を持っていて、いいキャリアを積んで、人から羨ましがられるような生活をしていても、子供との関係がギクシャクしていたり、社員に嫌われたり、夫(妻)と家庭内別居状態だったら。やっぱり「人生成功している」とは言えないと。

そういうわけで、自分の人格育成に関する3つの習慣で土台を据えたら、残りの3つの習慣で人間関係を改善していくことを考えます。

人間関係づくりに最も大切な要素は、私たちが何を言うか、何をするかということではなく、私たちはどういう人間であるのかと言うことである。

関係を築き始めるべきところはまず自分の内面であり、・・・自分の人格を育てることである。

目次

あなたの信頼残高はいくら?

公的成功のための3つの習慣に入る前に、「信頼残高」という例え話がでてきます。これは、公的成功のための第4〜6の習慣の前提として、必ず知っておきたい考え方なので、まずこの「信頼残高」について簡単に説明できればと思います。

「信頼残高」とは、人間関係における信頼度を「銀行口座」に例えたもの。7つの習慣では、以下のように定義されています。

信頼残高とは、ある関係において築かれた信頼のレベルを表す比喩表現であり、言い換えれば、その人に接する安心感ともいえる。

まわりの人に対する日々の行動や言葉が、「預け入れ」や「引き出し」になります。

約束を守ったり、正直に礼儀正しくあれば、「預け入れ」をしているので残高が増えます。一方で、嘘をついたり、期待を裏切る行為をすると、それは信頼を「引き出し」ていることになります。

信頼残高が増えれば増えるほど、お互いの関係も良くなり、簡単に崩れなくなります。多少のミスがあっても相手は許容してくれるでしょう。逆に、信頼残高が少なければ不信感がつのり、小さな過ちでも信頼を損ねやすくなります。

良好な人間関係を築くためには、信頼残高の管理がかかせません。では、どうやって「預け入れ」をするのか。6つの方法があります。相手を理解する、小さなことを大切にする、などなど、具体例とともに解説されています。

野球が大して好きではないお父さんが、野球の大ファンの息子のために一緒に6週間、メジャーリーグの全試合を見てまわった、といった具体的な話がたくさんあり、しみじみ納得します。良い話が多いので、ここはぜひ書籍で読んでみてください。

第4の習慣:Win-Winを考える

Win-Win(ウィン・ウィン)は、自分も相手も満足する解決策を目指す考え方です。相手を競争相手ではなく、協力できるパートナーとみなします。関係者みなが満足できる方法・結果があることを信じて交渉します。

しかし、多くの人はWin-Lose(自分が勝ち、相手が負ける)かLose-Win(自分が譲って相手が勝つ)で考えがちです。競争が強調される教育や社会のせいで、「自分が成功するには他者より上にならなくてはいけない」というWin-Loseの考え方をしまう人。「できるだけ穏便に済ませたい。嫌われたくない」という思いから妥協してしまい、Lose-Winに甘んじてしまう人。

私も自分の生活を振り返ってみましたが、今はLose-Winが最多…。その昔はWin-Loseばっかりを考えていたと思います。思いついたのは以下のような状況。

昔の私:

  • 部屋の大きさなど、きょうだいのなかでいつも一番いい待遇じゃないと気が済まない(Win-Lose)
  • 誰よりもいい成績をとらないと気が済まない(Win-Lose)

今の私:

  • 子供第一で、つい自分のための時間はあとまわし(Lose-Win)
  • 案件を断られるのが怖くて低価格で請け負ってしまう(Lose-Win)

Win-Winって思った以上に、できていないんだな。そして難しいんだ、と。

Win-Winの関係を築くには

Win-Winの関係を築くための具体的なステップがあります。「Win-Winの5つの柱」と呼ばれ、家庭でも、ビジネスシーンでの交渉でも使える方法です。一つ一つの柱が結構な労力を必要とするな・・・というのが正直な感想。だからこそ、Win-Winができるようになれば最強ですね。

以下ではさらっと挙げておきますが、詳細は本で読んでください。

STEP
Win-Winの人格をもつ
  • 自分の価値観に誠実であり、主体的に行動する
  • 自分の気持ちや信念を表現する勇気と、相手の気持ちや信念を尊重する思いやりのバランスを取る
  • 誰かが勝って他が負けるのではなく、皆が勝ち、満足することが可能だというマインドを持つこと
STEP
Win-Winの関係を築く

誠意を込めて相手自身と相手の意見に敬意を示すことで「信頼残高」に預け入れをする。お互い満足させる案を真剣に望んでいることが相手に伝わるまで、それを続ける。

STEP
Win-Winの合意を作る

Win-Winの具体的な内容を「実行協定」という形で文書に定義します。

難しそうな感じがしますが、身近なところで応用できます。『7つの習慣』の筆者は「16歳の娘との家の車の使い方」でこの実行協定をつくり、Win-Winの結果を得たことを書いていました。

STEP
Win-Winのシステムを作る

会社などの組織の中では、Win-Winが報われる仕組みを作ることが大事。

例えば、会社の人事考課システムが、売り上げへの直接的な貢献だけに注目したものになっているとしたら、他の社員を出し抜くことに皆集中してしまい、それはWin-Loseの結果を招いてしまいます。

一方、人材育成や部下の世話などにも報酬が与えられるようにすれば、Win-Winが報われるシステムとなります。

STEP
Win-Winのプロセス

Win-Winの結果を得るために、Win-Winのプロセスを踏むこと。当たり前のことですが、「Win-LoseやLose-Winのやり方をもちこんで、結果をWin-Winにすることはできないよ」と言っています。

Win-Winのプロセスは以下の4つのステップから成っています。

  • 問題を相手の立場から見、相手を本当に理解しようと努める
  • 課題と関心事をはっきりとさせる
  • お互いが完全に納得できる解決には、どういう結果が必要かをはっきりさせる
  • その結果を達成するための新しい案、選択肢を考え出す

このプロセスは第5〜6でさらに詳しく解説されます。

個人的に心に残ったのは、「お互いが納得できる解決策があることを信じる」ということです。最初から「ダメそうだけど」「多分無理だろうけど」みたいな気持ちでいると、結局、どちらかが嫌な思いをするWin-LoseかLose-Winで妥協してしまうなと。「信じる」ことをまずベースにするのは本当に大事だなと思いました。

Win-Winとは、当初それぞれの当事者が持っていた案ではなく、全く新しい第三案の存在を信じることであり、相手や自分の考え方に限定される必要はなく、より良い方法があるはずだと確信することである。

第5の習慣:理解してから理解される

子供が(妻が)悩みを話す時、「こうすればいいんじゃない?」とつい、解決策を言ってしまう。でも相手はなんだか腑に落ちない、もやもやした気持ちのまま、あなたのアドバイスはまるで歓迎していない様子。

もしそんな経験があるなら、この第5の習慣を読むのがおすすめです。

話をしているとき、ほとんどの人は、理解しようとして聞いているのではなく、答えようとして聞いているのだ。

相手の悩みを「自分のフィルター」「自分の経験(自叙伝)」を通して見ることは、相手のことを本当に理解していることにならないと。自分が似たような体験をしたからって、相手が自分と同じ気持ちになっているわけではないんです。

「自分のフィルター」で相手の悩みを聞いている場合、次にあげる4つの反応をしてしまいがちです。あてはまるものがありますか?

やってはいけない聞き方

相手を理解するには、以下のような聞き方を避けることが大切です。

  1. 評価する
    「それは良い考えだね」や「それは間違っているよ」といった判断・評価を示すこと。
    例:子供が「将来〇〇になりたい」と言った時に、「そんなのは絶対にダメだ」と即答する。
  2. 探る
    自分の視点で質問をすること。
    例:「授業がつまらない」という子どもに「努力してないからじゃないのか?」と探りをいれる。
  3. 助言する
    自分の経験に基づきアドバイスをすること。
    例:「いい仕事に就けるように、もっと勉強しなきゃだめだ」と早々にアドバイスする。
  4. 解釈する
    自分の動機や行動を元に、相手の話を勝手に解釈してしまうこと。
    例:「パパだっておまえと同じ歳の頃は勉強なんて無駄だと思ったけど、今は勉強すればよかったって思っている」と自叙伝を語る。

せっかく話しても、相手に評価されたり、勝手に違う解釈をされたり、探られるような質問をされたりすると嫌になってきますよね。

特に子供や夫など、身近な相手によくやってしまっているなぁと反省しました。

じゃあ本当の意味で「聞き、理解する」にはどうしたらいいのでしょうか?

感情移入をすること

です。

感情移入とは?

感情移入とは、相手の立場に立ち、相手の感情や考えを理解しようとする姿勢のこと。単に話を聞くだけでなく、「相手はどう感じているのか?」を考えながら受け止めることが重要です。

感情移入とは、相手の見地に立ち、相手の立場から物事を眺め、相手が見ている世界を見ることである。

感情移入の本質は、相手に賛成することではなく、感情的にも知的にもその人のことを正確に理解することである。

感情移入では…左脳だけではなく、右脳も使うのだ。感知し、直感し、感じとるのである。

医者があなたのことを聞かずに薬を処方したら

もしあなたが原因不明の頭痛で病院にいき、「頭が痛い」と訴えたとします。医者がただ「頭がいたい」という症状だけを聞いてすぐに処方箋を書いたとしたらどう思いますか。

「この医者は私のことを理解していないし、危なくてこの薬は飲めない」って思いますよね。

ちゃんとした医者なら「どんなふうに頭が痛むのか」「どのあたりが痛むか」「いつ痛むか」「何かストレスの原因があるか」など、詳しい症状や患者のことについてよく理解しようと努めます。その上で、適切な治療法を提案してくれるはずです。

そういうお医者さんなら信頼できますし、処方された薬も安心して服用することができますよね。

同じことが、コミュニケーションにおいても成り立ちます。

人間にとって生存の次に大きな欲求は、心理的な生存である。それは、理解され、認められ、愛され、必要とされ、感謝されることである。

感情移入をしながら人の話を聴くとき、それは相手に精神的な空気を与えることになる。その大切な欲求を満たした上で、はじめて相手に影響を及ぼしたり問題を解決したりすることに集中できるようになるのである。

感情移入の具体的な方法

レベル1:話の中身を繰り返す
相手が言ったことをそのまま繰り返します。
例:「今日はテストがすごく難しかったんだ。」
→「テスト、難しかったんだね。」
これで「ちゃんと聞いているよ」と伝えられます。

レベル2:話の中身を自分の言葉に置き換える
相手の言ったことを少し自分の言葉で言い直します。
例:「今日はテストがすごく難しかったんだ。」
→「難しい問題ばかりで大変だったんだね。」
これで「話を理解しているよ」と伝えられます。

レベル3:相手の感情を反映する
相手がどう感じているのかを言葉で伝えます。
例:「今日はテストがすごく難しかったんだ。」
→「テストが難しくて、悔しかったんだね。」
これで「気持ちもわかるよ」と伝えることができます。

レベル4:内容を自分の言葉で言い、同時に感情を反映する
話の内容と感情を一緒にまとめて伝えます。
例:「今日はテストがすごく難しかったんだ。」
→「すごく難しくて、頑張ったのに悔しい気持ちなんだね。」
これで「あなたの話を深く理解しているよ」と示せます。

たいていの場合、人は外からの助言など必要ない。相手は本当の心の中を打ち明けることができさえすれば、自分の問題を自分なりに整理し、その過程で解決策も明確になってくる。

家族との会話、ビジネスでの交渉シーンなどで相手に「理解されている」と感じてもらうことがまず大事なんだと。そのためには感情移入をしないといけないんだと。

本書では、感情移入をしたことで、合意不可能に思えた銀行との交渉、組織内での予算の獲得など難しいコミュニケーションが、どううまく回るようになったか実例が書かれています。気になる方はぜひ書籍を読んでみてください。

第6の習慣:相乗効果を発揮する

「相乗効果を発揮する」とは、違う意見や個性を持つ人々が協力し合うことで、1人では達成できない大きな成果を生み出すことです。例えていうなら、ピアノが得意な人と歌が得意な人が一緒に作曲をしたら、1人では到底作れなかった素晴らしい音楽が生まれた、というようなイメージです。

相乗効果を発揮することの難しさ

相乗効果を発揮するには、違いを受け入れる必要があります。しかし、私たちはつい「自分の考えが正しい」と思い込んだり、「相手は自分と同じように考えるべきだ」と期待したりしてしまいます。このような姿勢では、お互いの強みを活かせず、相乗効果を生むのが難しくなります。

相乗効果を発揮する具体的な方法

  1. 違いを尊重する
    相手の意見や価値観が自分と違う場合でも、それを否定せず「そういう考え方もあるんだ」と受け入れることが大切です。
  2. オープンな対話をする
    相手の話を最後までよく聞き、自分の意見もしっかり伝えます。これにより、お互いに新しいアイデアが生まれるきっかけが生まれます。
  3. お互いの強みを活かす
    得意なことや個性を理解し、それを組み合わせて協力することを意識します。たとえば、グループの中で意見をまとめるのが得意な人と、新しいアイデアを出すのが得意な人が一緒に取り組むと良い結果が出やすいです。

誰かがあなたの意見を否定する時、次のように言える。「よかった。あなたは違う意見を持っている」と。賛成する必要はないが、彼らを肯定することはできる。そして理解するよう努めることができるのだ。

相乗効果が対人関係に及ぼす効果

相乗効果を発揮すると、お互いへの信頼感やチームワークが深まります。また、1人では気づかなかった新しい解決策や、より良い結果が得られるようになります。たとえば、学校のグループ活動で意見を出し合い協力することで、1人では思いつかなかった素晴らしいアイデアが生まれることがあります。

まとめ

ここまでお読みくださりありがとうございました!以下、今回のまとめです。

「7つの習慣」の第4~6の習慣は、「人との関係を大切にし、自分だけでなく自分の周りの人も一緒に成功する」方法を教えてくれています。その基本となるのが「信頼残高」という考え方。銀行の預金のように、日々の行動で少しずつ相手との信頼関係を積み立てていくことがまず大切です。

第4の習慣「Win-Winを考える」では、「自分だけが得をする」「相手に譲りすぎる」といった考え方ではなく、お互いが納得しハッピーになれる方法を探すことの大切さを学びました。

第5の習慣「理解してから理解される」のポイントは、まず相手の気持ちに寄り添って話を聴く(感情移入する)ことです。話を聞かずに勝手に解釈したり評価したりせず、相手の立場に立って、相手の感情を本当に理解しようと努力すること。そうすることで今度は相手が「あなたを理解しよう」という気持ちになってくれます。

第6の習慣「相乗効果を発揮する」では、違う意見や考え方を持つ人と協力することで、一人では思いつかなかった素晴らしいアイデアが生まれる可能性を教えてくれました。

家庭や職場、友人との関係などで学んだことを実践していきたいと思います。

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