副業を始めて、あわよくばフリーランスとしての独立を考えているけど、かれこれ10年以上、平凡な会社員で埋もれてきた。SNSやブログでいざ発信活動をし、ビジネスに繋げよう、なんてことが頭に浮かんだものの、自分自身に迷いがでて「何をどう発信していったらいいのか」、途方にくれている。
もし、あなたがこんな状況にあるなら、一度「パーソナルブランディング」について学んで考えてみるのがお勧めです。
パーソナルブランディングとは?
パーソナルブランディングとは、自分の価値を自分自身の中でハッキリさせ、それをまわりに適切に伝えることです。この記事でこれから紹介する書籍「選ばれる人になる『パーソナルブランディング』の教科書」では、以下のように定義しています。
自分の姿を自分が望むようにお客様に伝え、あなた個人の魅力でお客様に選ばれるようにするための技術
「ブランディング」というと、大層なことに聞こえてしまいますが、自分を偽ったり誇張したりするのとは違います。
自分が自分の強みをしっかり認識して、自分の立ち位置をはっきりさせ、お客様に伝わりやすいかたちに整える。その結果として、存在感を確立できるようになる、というのがパーソナルブランディングです。
なぜパーソナルブランディングが必要なのか?
SNSやブログなどを活用して個人が自由に発信活動できる時代。全く無名の個人でも、世界中に自分の意見や作品、スキルをアピールできるのは便利ですし、魅力的でもあります。一方で、ただ発信するだけでは、情報の海に埋もれて、まったくスルーされてしまう世界でもあります。
では、どのような人が「選ばれる」存在になれるのか?
それは、パーソナルブランディングをしっかりやって、「自分の価値を明確にし、それを適切に発信している」人たちです。
私はSNSだとXを見ることが多いのですが、フォロワーがしっかりついている人たちは、本当にこれがちゃんとできているなと感じます。
「ブランディングをしないとどうなる?」
もし、自分の強みが整理されていないと、次のような状態になりがちです。
- SNSで何を投稿すればいいかわからず、発信が止まってしまう
- 仕事や副業のチャンスが来ても、「自分に合っているのか?」と迷ってしまう
- 「なんとなくいい人だけど、何をしている人かわからない」と思われ、機会を逃す
私はまさにこんな状態になっていますが、だからこそ、今パーソナルブランディングを考えたいなと思いました。
「選ばれる人になる『パーソナルブランディング』の教科書」を読んで、パーソナルブランディングについて考えてみた
私が「ブランディング」の威力を初めて身近に感じたのは、勤めている会社のコーポレートサイトを一新したときです。創業から10年以上、ブランドガイドラインがなく、Webサイトや営業資料のデザインもバラバラの状態が続いていました。しかし、ミッション・ビジョンに基づいたブランドガイドラインを作り、それに沿ったコーポレートサイトや資料デザイン、名刺などに統一したところ、社内外の印象が大きく変わりました。発信していくものにも、一つの軸ができたことで、一貫性が生まれました。
ところが、自分自身のブランディングとなると悩みが尽きず・・・。副業、独立などの目標はあっても、軸がブレブレの自分。そんな自分を「どうにかしたい」と思っていたところに目に入ってきたのが、「選ばれる人になる『パーソナルブランディング』の教科書」でした。
本書では、自分自身の価値観を言語化するための10以上の質問に答えていくことから始まり、どのようにパーソナルブランディングを進めていったらいいのかが、かなり具体的に書かれています。本書を読みながら、私も時間をかけて質問の答えに悩み、考え、書き出して・・・という作業をすることで、以前よりも自分に対する理解が深まったと感じました。

- 会社員としての将来に不安を感じ、副業や起業を考えている人
- 何を発信すればいいかわからず、SNSの活用に悩んでいる人
- 自分の強みや価値を知りたい、もっと自信を持ちたい人
- 自分の強みが明確になる → 自分に自信が持てる
- 発信する内容が定まる → SNSやブログでの発信がスムーズになる
- 仕事やビジネスの機会が増える → 信頼され、選ばれやすくなる
「選ばれる人になる『パーソナルブランディング』の教科書」の概要
著者の紹介
守山菜穂子さんは、ブランド戦略の専門家で、数多くの企業や個人のブランディング支援を行ってこられた方です。パーソナルブランディングの第一人者として、実践的なノウハウを提供しています。
そんな守山さんも、かつての自分を振り返って以下のように書いています。
他人と自分を比べて、「私は誰にも認められず、褒められない。自分は選ばれない人間なんだ」と拗ねることで、自分の存在価値を自ら落としていきました。
守山 菜穂子. 選ばれる人になる「パーソナル・ブランディング」の教科書 (三笠書房 電子書籍) (p. 17). Kindle Edition.
それが、パーソナルブランディングの第一人者として独立してからは、仕事が途切れることなく収入も右肩上がりで「選ばれる人」でありつづけています。
書籍の構成(パーソナルブランディングの3ステップ)
本書は、パーソナルブランディングの基礎から実践までを段階的に学べる構成になっています。
周囲からどう思われたいか、自分自身の姿を明確にするために自分と深く向き合い、言語化する。自分らしさのコアとなる価値観を発見する。自分らしさを発見する10の質問に答えることで自分をよりよく知ることができる!
差別化戦略。独自性としてアピールできる点を自分のビジネスに落とし込んでいく。
「こう思われたい」という自分ブランドを発信し、浸透させていく。 自分自身をどう見せるか、という「身体」の部分と、ブランドカラーや発信の言葉遣い、名刺やサイトデザインなど、「ツール」の部分で両方ブランド化する。
本書の魅力:
- 理論だけでなく、すぐに実践できる具体的なノウハウが満載
他のブランディング本と違い、本書は単なる理論の解説にとどまらず、すぐに実践できるステップが細かく解説されています。 - ワーク形式で自己分析を深められる
読者自身が書き込みながら学べるワークが豊富に用意されており、「自分の強み」や「ブランドの方向性」を明確にできる構成になっています。 - 事例が豊富で、自分に合ったブランディング方法を見つけやすい
実際にパーソナルブランディングを成功させた事例が多く紹介されており、自分に合った方法を見つけるヒントになります。 - 読者層に合わせたわかりやすい言葉遣い
難しいマーケティング用語を極力避け、誰にでも理解しやすい言葉で書かれているため、初心者でもスムーズに学べます。
パーソナルブランディングを進めるために、特に覚えておきたい3つのポイント
自分を何かに例えてみると、自分の「差別化ポイント」が見える
本書には「自分らしさを発見するための10の質問」と、周りの人にも尋ねながら自分自身についての理解を深める質問が掲載されています。10の質問は、「あなたが幸せを感じる瞬間は?」「怒りを感じるのはどんなとき?」といった質問に答えることで、自分の価値観が明確になる、というものです。
あまりに日常的すぎて「強み」と気づかなかったものの、実は「自分らしさ」であり「強み」なんだと発見したことがあります。その一つは、「計画を立てて実践すること」でした。ノートに計画を書き出して、Notionにそれを書いていっている自分はこの上なく幸せを感じるのですが、それ自体が自分の差別化ポイントになり得るんだと。これを発見しただけでもこの本を読んだ甲斐があったと思います。
そしてもう一つ面白かったのが、「自分を動物や物に例えてみる」ということです。
個人的には、自分は「レモン」のような存在かなと、今回考えました。レモンはそのまま食べると酸っぱすぎていただけない感じですが、料理やサラダにふりかけたり、水に入れたり、お菓子に混ぜたりと応用範囲が広いです。私ひとりだとあまり活躍場所はなくても、誰かと一緒に働くことで色々活躍できる場が広がる。そういう意味で「レモン」は自分がこれから活動していく上でイメージに入れていきたいなと思いました。
SNSは「自分の人柄を伝えるツール」
本書では、SNSを「投稿を見せるものではなく、人柄を伝えるツール」として活用することが勧められています。
SNSは「投稿を見せるのではなく、自分の人柄を伝えるツール」と捉えましょう。 例えば、自分はどういうことが好きで、何にこだわっているのか。仕事をどんなふうに大切にしているのか。ニュースをどのように解釈するのか、未来をどう捉えているのか。自分の内側にある価値観が、SNSという道具を通じて、周囲に長期的に伝わることを目的にします。
守山 菜穂子. 選ばれる人になる「パーソナル・ブランディング」の教科書 (三笠書房 電子書籍) (p. 221). Kindle Edition.
これまでSNS投稿に苦手意識がありましたが、「価値観が伝わればOK」と考え方を変えることで、誰かの投稿を見るだけの状態から、少しずつ発信できるようになりました。
新しいことをやるのに遅すぎることはない
この書籍の最後の方には、「お悩み別Q&A」という章があり、セルフブランディングをする際にぶつかりがちな20ものお悩みに答えてくれています。正直、この章が一番助けになったと思います。
一例を挙げると、「年齢を気にしてなかなか挑戦できません」という質問。
答えは、「今日が人生で1番若い日。100歳まで生きるつもりで動こう」というものでした。
守山さんの講座には70代80代で受講される方もおられるそうです。子育てがひと段落して、気がついたら自分より年下の有名人がどんどん増えていて、正直ここから再起は無理かなと思っていた時期なので、この言葉には元気づけられました。
まとめ
パーソナルブランディングとは、自分の価値を自分自身の中でハッキリさせ、それをまわりに適切に伝えることです。「選ばれる人になる『パーソナルブランディング』の教科書」は、自分の強みを知り、自信を持って発信できるようになるための実践的な一冊。初めてパーソナルブランディングに取り組む人に特におすすめです。自分の強みを明確にしたい人、副業・起業で「選ばれる人」になりたい人、SNSやブログでの発信に迷っている人は、ぜひ本書を手に取って、パーソナルブランディングに取り組んでみてください。
